あなたの犬を夏の暑さと熱中症から守るための6つの方法
夏になり、これから気温がより高くなっていきます。熱中症、脱水症状、日焼け、肉球のやけどなど、犬は暑い天候に関連した傷病に対しては弱いのだと覚えておくことが重要です。
最も危険な病気が熱中症です。熱中症にかかると臓器不全、発作、脳へのダメージ、出血、失明、けいれんなどを発症したり、さらには死亡してしまうことすらあります。
熱中症は熱疲労から始まる
熱中症と熱疲労はどんな犬にとっても危険な事態となります。一般的に、熱疲労とは犬の身体が過剰に熱くなり始めた時の初期の段階のことを言います。
犬の体温を下げ、より危険な熱中症を防ぐために迅速な行動を取ることで、こうした影響をしばし軽減することができます。
熱疲労の症状には以下のようなものがあります。
- 下痢
- 吐き気および嘔吐
- 呼吸が速い
- 耳の内側の皮膚が赤くなる
こうした症状が見られたら、飼い犬を直ちに地下室や扇風機の近くなど、屋内のより涼しい場所へと移動させ、新鮮な水を与えてください。皮膚をぬるま湯で湿らして、自然乾燥させてください。
熱中症 その症状とリスクのある犬について
熱中症は犬の身体の通常の機能では体温を安全な範囲に保てなくなった時に起こります。犬は汗をかくことができず、体が熱くなりすぎると呼吸で完全に体温を下げられるとは限りません。
犬の平常な体温は37.7度から39度です。41度を超える体温は非常に危険であり、獣医による手当が直ちに必要となります。
熱中症の兆候には以下のようなものがあります。
- 呼吸が速い
- 舌が明るい赤色になっている
- 歯茎が赤く、あるいは青白くなっている
- 濃くてべたべたとした唾液
- 不活発になっている
- 衰弱およびふらつき
- 嘔吐 血が混じることもある
- 下痢
- ショック状態
- 昏睡状態
体温を下げられないペットはいずれも熱中症のリスクを負っています。ですが、特定の疾患を持つ犬種や犬はより影響を受けやすくなっています。心臓病、肥満、高齢、呼吸系の問題がある犬はより高いリスクを負っており、そうした犬にとっては極めて暑い気温の中では普通の活動をすることですら危険を伴いかねません。
パグやブルドッグのような他の犬と比べて短い鼻口部を持った犬は呼吸で熱を逃がすのが苦手です。また、特定の犬種は他の犬と比べて熱に弱いものがいます。イングリッシュブルドッグ、フレンチブルドッグ、ボクサー、セントバーナード、パグ、シーズーなどの犬がこのグループに該当します。
夏の危険からあなたの犬を守る6つの方法
熱中症の危険から飼い犬を守るために飼い主には何ができるでしょうか? 賢明になって先を見越せるようにしましょう!
以下が夏に飼い犬の体温を保ち、熱中症を避けるための6つの方法になります。
- 体温が高くなっている場合、犬をアスファルトやセメントなどの熱い地面の上に長居させないでください。地面にあまりに近いと犬の体温を急速に上昇させたり、繊細な肉球にやけどを負わせてしまいかねません。散歩はなるべく短めにしましょう。
- 体毛を夏用の軽めのカットにしてあげることで体温が上がり過ぎるのを防ぐことができます。ですが、肌まで刈り込まないようにしてください。犬は日焼けから身を守るために2.5cmほどの体毛を必要とするためです。
- いつでも新鮮な水を飲めるようにしてあげてください。外で犬を飼っている場合は日陰に入れたり冷たい水をたくさん飲めたりできるように必ずしてください。
- 温度が高い時は運動を制限してください。首輪は呼吸の妨げになるのでしないでください。
- 気温が温かい時、多くの犬は泳いだり、子供用のプールで水を撥ねさせたり、スプリンクラーの中を走っていくのを好みます。これによって体温を下げることができるでしょう。
- 駐車した車の中に犬を置き去りにしないでください。日陰に駐車したり、数分で戻ってくる場合でも同様です。
犬が熱中症にかかったらどうすればいいでしょうか?
飼い犬が熱中症にかかったと思ったら、素早い行動を取ることでその命を救える可能性があります。
まず飼い犬を直ちに熱い場所から避難させてください。冷たい、または室温くらいの水で体中を濡らし、扇風機を使って身の回りの風の流れを増やしてください。
氷水やよく冷えた水は使わないでください。あまりに急速に体を冷やすとその他の命に係わる疾患を起こしかねず、逆効果になる場合があるからです。水は自由に飲ませてあげて大丈夫ですが、無理に飲ませないようにしてください。肺に水が入ってしまったり、窒息することがあるためです。
.飼い犬が回復しているように見えたとしても、なるべく早くに動物病院へと連れて行ってください。脱水症状の他にも獣医が処置を施さなければならない合併症があるからです。
まず優先して行うべきは体温を安全な範囲まで下げることです。それから、飼い犬に水を飲ませたり酸素を供給したりする処置を施せるようになります。熱中症で運び込まれた飼い犬は、ショック状態、呼吸困難、腎不全、心臓の異常などがないか観察を行い、適切な処置を行うべきでしょう。
獣医が飼い犬の血液のサンプルを採る場合もあります。熱中症になるとよくある合併症として血液の凝固異常があるからです。熱中症にかかった犬は再びかかるリスクが高まるので、それを防ぐための処置を取らなければなりません。一度熱中症にかかった犬にとって、暑くて湿度の高い日は常により大きな危険を伴うものとなります。
犬には飼い主を守るという本能があります。飼い犬が夏のシーズンの待ち望んだ温かさを安全に楽しめるように、責任のある飼い主は過酷な暑さによる危険から飼い犬を守ってあげることでその恩を返さなければなりません。