老犬の歯科疾患
歯科疾患はもちろんペットが高齢になるにつれ多くなりますが、これを患っているのは老犬だけではありません。犬の歯は本質的に人間の歯と同じなので、若い頃から 歯科衛生に気をつけておけば、問題が大きくならないうちに防げることが多いのです。
定期的に家で愛犬の歯をチェックすることで、多くの場合、重大な問題になる前に見つけることができます。そのため一週間に一度、愛犬の唇を広げて、歯や歯茎を点検してみてください。
愛犬の歯をチェックするポイント
- 歯肉炎- 特に歯の周りなどで、歯茎が赤く炎症を起こしている。
- 歯石や結石- 歯そのものに黄色や茶色の物質が蓄積している。
- 歯茎が腫れている場合、歯肉膿瘍の可能性がある。
- 口臭がひどい場合は、感染症の可能性がある。
- 歯が欠けていたり、グラグラしていたり、なくなっている。
- 虫歯で歯に穴があいている。
愛犬にどのような変化が現れたら、歯科疾患の疑いがある?
愛犬の不快感の原因が歯科疾患であることを見逃してしまうのはよくあることです。特に老犬の場合、行動の変化が加齢によるものと推測してしまうことが多いからです。しかし、歯科疾患の痛みが大きな行動の変化につながることがあります。
以下のような症状に注意してください。
- おもちゃを噛んだりして遊ぶことに興味を示さなくなる- この変化は不快感が増すにつれ徐々に現れることもあります。
- 食事の好き嫌いが激しくなる- 特定の種類の食べ物を欲しがったり、歯の片側だけで食べていたり 、食べ物を落とすなど。
- 口の辺りをこすったり触ったりする。
- よだれが多くなる。
- 口の中をチェックしようとすると痛がる。
問題があると思ったらどう対処するか?
歯科疾患の治療をする際、手遅れになっているケースは稀なので、愛犬が歯科疾患を患っているのではないかと思ったら、獣医に調べてもらってください。抗生物質を貰って歯肉炎予防の歯磨きの仕方を教わるだけの場合もありますし、抜歯をして歯を削ったり磨いたりしなければならない場合もあります。しかし、早く対処すればするほど、より簡単に、それ以上ひどくなるのを防ぐことができます。 歯科疾患を治療したことで老犬の寿命が延びたと話す飼い主はかなり多いのです!
家で続ける口腔ケアとしては、人間用ではなく犬用の歯磨き粉を使って毎日歯磨きすること、噛む機会を与えること (骨や棒などは歯や口を傷つける可能性があるので、硬いおもちゃやローハイドガムが良い) 、ヘルシーな自然食品だけでできた食事を与えることなどがあります。
今まで老犬の歯を磨いたことがない場合は、歯磨きを始める前に獣医に見てもらうと良いでしょう。もし、すでに歯科疾患がある場合は、歯磨きは効果がないのが関の山で、最悪の場合は愛犬が非常に痛がってしまうかもしれないからです。
ペットの健康について気がかりな点があれば、必ず獣医に相談してください。